本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 アザレウスは、リティスの言葉を否定しない。きっと、必要があれば反対することもあるだろうけれど、今はリティスを信じているようだ。

 セリカは呼び寄せたパパベルの頭に、リボンを巻きつけようとしている。

 どうやら、パパベルには首飾りだけではなくリボンも必要だと考えたようだ。

 パパベルは身を捩ってはいるものの、本気で逃げ出そうとはしていない。その様子を横目で見ながら、リティスは目の前の古文書に視線を落とす。

(……うん、なんとかなりそう)

 実を言うと、曽祖母の蔵書はかなり多岐にわたっていて、王宮図書館でも入手できないものもあるようだ。

 王宮図書館の資料だけではなく、曽祖母の持っていた辞書等も使えば、ある程度は読めそうな気がする。

「リティス嬢、見て見て!」

 古い保管庫から持ち出された本は、本そのものは無事だけれど、上に埃が積もっているものもある。

「僕、風を起こせるようになった――あれ?」

 イレクスは、本の上につもった埃を飛ばそうとしたようだ。

 だが、風は、イレクスが飛ばしたかったのとはまるで違う方向に飛んで行った。

「なんでー?」

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