本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 リティスの世界は、幼い頃から曽祖母の隠し部屋だけだった。さっさとやるべきことをやったら、そこに身をひそめる。

 家族の前に出なければ、彼らもリティスのことを気にしなかった。

(……そうね、貴族令嬢としては、いろいろと間違っていたかも)

 貴族令嬢として正しいのは、社交を頑張っていたフィノラの方だ。

 今はこうやって王宮図書館の職員として働いているけれど、様々な幸運が重なった結果に過ぎない。

「リティス嬢、パパベルはセリカの相手をしていて大丈夫か」

「ええ、パパベルの知識だけに頼るわけにはいきませんからね」

 たしかにパパベルの知識量はすごい。人間であるリティスよりもずっと昔のことには詳しいだろう。

 ――でも。

 いくら可愛い外見をしていても、いくら気のいいやつのように見えていても。

 パパベルの本質は、悪魔であることを忘れてはいけない。

 彼の言葉をすべて信じるのは少々危険ではないかとも考えている。

「まずは、自分でできるところまでやってみます――それに、パパベルの記憶も完全に戻っているわけではありませんから」

「そうか。そうかもしれないな」

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