本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 もし、イレクスの魔力と本の魔力が妙な形に干渉しあったら、大変なことが起こってしまうかもしれない。

「そうかぁ。じゃあ、別の形で練習するね」

 そう説明すると、イレクスも納得した様子で頷いた。

『なあなあ、これ見てくれ。すごくないか? オレに、すごく似合うと思うんだけど!』

 ふわふわと空中を漂ってきたパパベルが、首に巻かれたリボンを見せびらかしてくる。太くて赤いリボンは、黒いパパベルの身体とよく合っている。

「ええ、似合っているわ。王女殿下、ありがとうございます」
「でしょ? あたくち、パパベルには似合うと思ったのよ」

 強引にパパベルを抱き寄せたセリカは、満面の笑みを浮かべ、イレクスとアザレウスはにこにことしながらそれを見守っている。
ここで働けて幸せだ――いつまでも、こんな日が続けばいいのに。



 * * *

 

 気がつけば、リティスが王宮図書館で働くようになって半年近くが過ぎていた。

 季節は移り変わり、今ではコートとマフラーが必要だ。

(よしよし、今日も問題なしっと)

 アザレウスとの関係は、図書館で働くようになってから大きく変化した。

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