本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 思えば、生家の人々はリティスのことをいいように扱っていたな、と一瞬遠い目になる。リティスがいなくなった方が、あの家はうまくいくのだろう。

 そう思ったからこそ、家を出てからは一度も連絡を取っていない。籍も抜いてしまおうと思っている。

『人間の考えることって面白いよな。オレあちこちそういうの聞いて回っているんだ』

 パパベルは偉そうにふんぞり返っているが、それはあまり趣味がよろしくないような。

「ほどほどにしておきなさいね」

 と、パパベルをたしなめた時、アザレウスが姿を見せた。今日も彼の手にはバスケットはあるが、子供達は一緒ではない。

 今日は、国王夫妻とマナーのお披露目を兼ねて一緒に昼食を取ると事前に聞いている。

「まあ、王弟殿下」

「今日も、こちらに来てしまった。いいかな」

「もちろん」

 アザレウスが手にしているバスケットに、パパベルがひょいと飛び乗った。

『なあなあ、あいつが才女って言われてるってお前知ってる?』

 リティスは慌ててパパベルをたしなめようとした。

 王弟殿下のことを『お前』だなんてあり得ない。けれど、アザレウスは肩をすくめただけ。

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