本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 やがて、パパベルが止まったのは、一番奥――と言っていいのか、奥まった場所だった。

 この道は行き止まり。この先には、何もないように見える。

「ここ? 何もない――いや、ここか」

 リティスの目にも、何も見えなかった。だが、アザレウスは何事か察したらしく、素早くしゃがみ込んだ。
『そう、ここで魔力を流してみろよ。隠し扉が開くから』

「これは……難しい、な」

「どうしました?」

「ああ、どうやら一定の手順に沿って魔力を流さないといけないようだ。古代魔術の使い手ならば、容易いのかもしれないな」

 ならば自分が、とリティスが口にしてしまっていいだろうか。出しゃばり過ぎな気もする。

 とリティスが迷っている間に、アザレウスは処理を終えたようだった。

「きゃあっ!」

 思わずリティスは悲鳴を上げ、アザレウスはリティスを守るように覆いかぶさってくる。

(ひぃぃっ)

 再び上がりそうになった悲鳴を、今度は呑み込んだのは我ながらうまくやった。だって、アザレウスとの距離が近い近い近い近い!

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