本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 おそらく、一定以上の魔力を持つ者でなければ開けないのだろう。曽祖母の隠し部屋と同じようなものだと思う。

「……パパベル、お前が言っていたのはこれか?」

『おうよ。なんか、ここにもいろいろ大事そうなものが入ってるはずだぜ?』

 パパベルの言葉通り、そこにもリティスが見たこともないような本や書類がずらりと棚に並べられていた。

(……読みたい!)

 リティスは、迷うことなく室内に足を進めようとし――腕を掴んで引きもとされた。

「何があるかわからない。まずは俺が」

「王族が先に行っちゃだめだと思うんです」

「訓練を受けていない者を先に行かせるわけにいかないだろう。それに、君は大切な人だ」

 ぼっとリティスの頬に血が上った。大切な人って……いや、そんな場合ではないのに。

「子供達も、君に何かあれば悲しむ」

 どうやら、早とちりだったようだ。今度は、違う意味で顔が熱くなった。

 そう、彼がリティスに興味を示すなんてないはずだったのに――我ながら、何を考えているのだろう。

『大丈夫、ここには何も仕掛けられてないぜ? ほら、ほら』

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