本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「お前が大丈夫でも、俺達が無事とは限らないじゃないか」

「ちょ――殿下!」

 リティスが止める間もなく、アザレウスは中に入ってしまった。「俺達が無事とは限らないじゃないか」と言いつつ足を踏み入れてしまうとは何事だ。

 もっとも、リティスが止めなくても問題はなかった。部屋の中央まで進んだ彼は、リティスの方を向いて笑みを浮かべる。

「大丈夫だ。来てくれ」

「……今度は、私が先に行きますからね!」

 きっと、リティスがそう言ったところで、彼は次も同じようにするのだろう。

 子供達と大差ない扱いのような気もするけれど、彼にとってもリティスは自分より弱いから守らなくてはならない存在なのだ。

「……すごいわ」

 そこに並べられているのは、ちらっと室外から確認した時把握したように、リティスの知らないものばかりだった。

『これな、悪魔を呼び出す方法なんだぜ?』

 ひゅっと棚目がけて飛んで行ったパパベルが、一冊の本を示した。

『まあ、お前達が使おうと思ったら、解読は必要だろうけどな』

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