本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 王宮の夜会で顔を合わせたのは事実だが、あれはこの国の貴族ならば参加するのが望ましいとされているもの。

 彼と顔を合わせてもリティスの心は少しも痛まなかった。過去のこととして割り切れていたことに安堵したほどである。

『いや、お前、このところ優秀だって評判になってるじゃん?』

「それは、前に聞いたけれど……正直なところ、私自身はそこまででもないと思っているのよ。古代魔術を使える人はそう多くないから、そこを評価されているのでしょう。王弟殿下に見出してもらえたのは幸運だったわよね」

 家を出たならどうにかして生活していかなければと思っていたけれど、アザレウスのおかげでリティスの天職に出会うことができた。そういう意味ではついている。

『そう、そこなんだよ! 貴重な古代魔術の使い手。お前がいれば、昔の資料だって解読がスムーズだろ?』

「それが私の特技だもの。それが仕事になっているのだから、やっぱり幸運よね」

 今、アザレウスから任されているのも、解読の仕事である。

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