本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 地味な姉の方が、フィノラよりずっと上質のドレスを身に着け、王族達とも親しく会話していた。

 なぜ、なぜ、なぜ?

 イライラする。

 エデルだってそれなりに魅力的に見えていたはずなのに、アザレウスと比較したら大したことなかった。フィノラの隣に立っても、ちっともつり合いが取れていない。

(……それに、宰相補佐候補から外されたって)

 宰相補佐は、宰相も目指せる地位だ。エデルの年齢で補佐の候補になるなんて、今まで例はなかった。

 いずれ宰相補佐になれると認められたほど有能だったから、この家の跡取りであるフィノラを支える人材として、問題ないと思っていたのだ。

 それが、候補から外されるなんて。そんな相手を迎え入れるとは、伯爵家のためにならないかもしれない。

(悩ましいわ)

 婚約解消をすればエデルを迎え入れる必要もなくなるけれど、姉から奪った婚約者をポイ捨てしたら、社交界でフィノラが悪く言われてしまう。

 いっそ、エデルが消えてしまえばいいのに――なんて、考えた時だった。

 青い顔をして、再び侍女がフィノラの部屋を訪れる。

「どうしたの?」

< 185 / 288 >

この作品をシェア

pagetop