本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
『あー、だからか。ここ、本を持ち出せないような魔術がかけられてるぞ。まあ、抜け道はあるけど――聞くか? どうせ、アザレウスはこれを読みたいんだろう? リティス、アザレウスだったら持ち出してもかわまんよな?』

 だが、パパベルの言葉にアザレウスは首を横に振った。

「リティス嬢、時々、ここに来てもいいだろうか。もちろん、リティス嬢の都合のいい時でかまわない。こちらは、お願いする立場だからな」

「……は、はい」

 どうしよう。アザレウスと過ごす時間が、少し長くなりそうだ。

 そして、リティス本人もそれを嬉しいと思ってしまっている。

 ――いつまでも、このままでいられるはずもないのに。



 リティスの持ち物については無事が確認されたが、王都で多発している盗難について放置しておくわけにもいかない。

「本当に、お前も来るのか?」

『リティスが行くなら、オレも行かないとなっ!』

 王宮の敷地から出られないパパベルであるが、抜け道がひとつだけある。契約者のリティスと一緒ならば出られるのだ。

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