本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 現在の当主本人もそれなりに魔術を使えるそうで、王宮から来た物々しい人々に少々びっくりした様子を見せた。

「……そちらの方は?」

 リティスは、王宮図書館の制服の上から、王宮魔術師団のローブとはデザインの違うローブを羽織っている。

「こちらは、古代魔術に詳しいリティス嬢だ。もしかすると、古代魔術でも調べられるかもしれないと協力を求めたのだ」

「そうでしたか。魔術書は、こちらに保管されておりました」

 侯爵が一行を案内したのは、立派な図書室だった。その奥に、特に大切な魔術書を保管するための部屋があるらしい

「……厳重ですね!」

 リティスが驚いた声を上げたのも当然だった。たしかに魔術書は貴重なものだが、ここまで厳重に管理している例は見たことがなかった。

 魔術書の部屋は、巨大な金庫とでも言えばいいのだろうか。四方の壁はすべて金属で出来ている。そして、そこに本棚が置かれていた。

 窓はなく、入室する時に明かりを付ける形だ。そして、扉も金庫のような頑丈な鉄製のものである。

< 205 / 288 >

この作品をシェア

pagetop