本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 リティスの懸念はアザレウスによって一蹴された。

 貴重な魔術書は、王宮に届を出すことになっている。リティスとパパベルがその一覧を確認し、緊急度が高い家からアザレウスが順に魔術をかけていく。

これで、まだ盗まれていなかった魔術書を盗むことはできなくなり、盗難騒ぎについてはいったん落ち着くだろう。

 もちろん、並行して魔術書を盗み出している者に対する捜査は進めているけれど――パパベルが震えるような悪魔が相手なのだ。慎重にやるしかない。

 リティスのところへ客人が来たのは、そんな日々がいったん落ち着いた頃だった。

「私に、お客様? まったく、心当たりがないんだけど」

 もちろん、リティスにも友人はいる。

 けれど、友人達とは、彼女達の家か外で会うことにしていた。

 貴族令嬢である彼女達を、職員の寮に招待するわけにもいかないし。

 もちろん、リティスに魔術書を解読してほしいという依頼だの、古代魔術の手ほどきをしてほしいという依頼もないわけではない。

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