本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 だが、そういった依頼については、王宮魔術師団と王宮図書館の方で精査し、どうしてもどうしてもどうしてもという時だけリティスに伝えられることになっている。

 そして、今のところどうしてもどうしてもどうしてもという事例は発生していない。

「それが、妹さんだとおっしゃっていて」

 と、客を受け付けた同僚が困ったような顔をしている。

(……なんで?)

 今さら、リティスに会いに来る理由なんてないだろうに。けれど、同僚を困らせるのも本意ではない。

 顔を見たい相手ではないが、追い払うにしても一度は対面しておかないとだめか。余計なことを言いふらされたら面倒だ。

「面会室にお願いします」

 普段、子供達と昼食をとるのに使っている部屋とは別に、外部から来た客人と面会するための部屋がある。

 一応王宮の一画なので、中に置かれている家具は上質のものだ。だが、生家で贅沢を尽くしてきたフィノラにとっては、物足りないかもしれない。

 なんて思いながら、鏡の前で身だしなみチェック。髪は乱れていないし、制服の襟も曲がっていない。大丈夫だ。

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