本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 パパベルはどうしようかと思っていたら、一緒に来るつもりはないようだ。

 悪魔を連れていると知られたら、ぎゃあぎゃあうるさいだろうし、パパベルが同行しないというのであればちょうどいいか。

「……何か用?」

 応接間に入るなり、リティスは口早に切り出した。

 こちらを見るフィノラの顔には、不満の色がありありと浮かんでいる。

(前と、少し変わった……?)

 フィノラを見てまず思い浮かんだのは、それだった。

 以前から愛用していたドレスを身に着けたフィノラは、以前と変わらず愛らしい。その顔には、不満しかなかったとしても。

「久しぶりに会ったんだから、もう少し何かないの? 可愛い妹が会いに来たのに」

「……可愛い妹?」

 おうむ返ししてしまってもこの場合はしかたないはず。

 だって、可愛い妹なんてどこにいるのだろう。リティスにとっての可愛い妹と言えば――不敬を恐れずに言うとすれば――セリカだ。

 セリカに対するような感情を、半分とはいえ血の繋がっている妹に対して持った記憶はない。

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