本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 首をかしげているリティスの態度が気に入らないのか、フィノラはますます膨れた顔になった。

「用がないなら、もう行くわよ。私の顔を見たかったというのなら、もう用件はすんだでしょうし」

 リティスの顔を見る必要もないだろうけれど、そう言ってみる。

「お茶も出ないの?」

「ごめんなさいね。ここには、そういった用事をしてくれる使用人はいないものだから。欲しいのなら持ってくるけれど、しばらく待ってもらうことになるわよ」

 これは半分嘘だ。頼めば、お茶を持ってきてくれる人はいる。ただ、ここに使用人はいないのは事実。持ってきてくれるのは同僚である。

 同僚にそこまで手間をかけさせる気もなかったから、頼んでいない。
 またもやフィノラは不満顔だ。生家にいた頃なら、何も言わずにリティスが動いたからだろう。でも、そういうのはもうやめた。

「……王宮とは思えない扱いね」

「皆、仕事で忙しいもの。自分のやるべきことをしているだけよ」

 フィノラに対してお茶を用意する必然性をまったく感じられなかっただけだ。

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