本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 貴族としては、娘を重視している姿を見せるのは間違ってはいない。

以前から、もう少しリティスを尊重してくれていたら――フィノラに向けている愛情のほんの一部でも分けてくれていたならば――きっと、リティスもフィノラの申し出を拒まなかったし、そもそも家を出ようとは思わなかったはず。

 でも、あまりにも遅い。

リティスが、家族の愛を願っていた期間は、とっくの昔に終わってしまったのだ。今さら、あの人達の間に交ざりたいとも思わない。

「……それだけじゃないわ。お金がないってお父様が言うの。お姉様の提案を受け入れていたら……まだ少しは違ったかもしれないって」

「あらやだ。私の報告、まったく取り合ってくれなかったのね」

 伯爵家の財政は火の車数歩手前だった。まだ間に合うと改善案を提示しておいたのに、まったく手を付けていなかったのか。

 あのあと、何も手を売っていなかったとしたら、財政難に転げ落ちてもおかしくはない。母とフィノラの散財を考えたならばなおさら。

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