本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「……そうよ。お姉様が戻ってきたら、少しは状態も改善するでしょう? お茶会の誘いだって、お姉様を連れてきてほしいって話も増えたし」

「それはできないわ。私は、ここで大切な仕事をしているの。忙しいし、機密に関する仕事もたくさんあるし、家から通っている時間はないわ。王宮まで通う時間も惜しいぐらいなの」

 これは嘘ではなかった。

 その気はないが、仮に伯爵家に戻ったとして。そこから通うとなると、寮から通う倍以上の時間がかかることになる。

 仕事時間はきっちり決まっていて言うほど大変ではないけれど、家まで往復する時間が惜しいというのは事実。

「……だけど、私達困っているのよ!」

「困っているのは同情するけれど……お金が足りないのなら、私を連れてお茶会に行くのも難しいんじゃない? だって、私のドレスなんてほとんどないんだから」

「……それはっ!」

 フィノラは言葉に詰まったようだった。

 リティスは、年に数着、必要最低限のドレスを用意してもらえるだけ。時には、フィノラのお下がりを回されることもあった。

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