本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 結界を構築していくのはアザレウスだ。他の魔術師達は彼に魔力を供給するのが主な役目となる。

(……すごいわ!)

 リティスは、素直に感心しながらその様子を眺めていた。アザレウスの魔術が、緻密に組み上げられているのがリティスには見える。

『はーん、あいつもなかなかやるな』

 とパパベルも言っているから、悪魔の目から見ても悪くはないのだろう。

 やがて、結界が張り終えられる。

 集中して見ると、虹色にキラキラと輝いているが、これが見える人はそう多くないそうだ。

 魔術師の中でも、特に優れた人でなければ無理だ。この結界に、どんな術が込められているのかを見破れる人はいないはず。

 よほど集中していたらしく、結界を張り終えたアザレウスの顔色は悪い。肩で息をついているから、魔力もそうとう持っていかれたようだ。

「アザレウス様、体調は大丈夫ですか?」

「集中しないといけない作業だったからな。終わってしまえば問題ない――とはいえ、これをあと何回か繰り返さないといけないからな。俺はともかく他の者達の負担は大きくなってしまう」

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