本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 アザレウスに魔力を供給し続けた魔術師達は、皆、ぐったりとしていた。

 全員が魔力を空っぽにするわけにはいかないから、今日は魔力の提供を行わなかった者もいる。

 彼らは、ぐったりとした仲間を王宮魔術師団の詰所へと運んで行った。そちらには医師が待機していて、そこで治療を行うそうだ。

『じゃー、いっくぞー!』

 気の抜けた声を上げているのは、パパベルである。右腕に、魔力を集中させていた。パパベルの攻撃が通るか、実験するのである。

「頼む!」

 アザレウスの言葉に、パパベルは右腕に集中された魔力を、ぽいっと結界に向けて放り投げる。結界の表面で、それは弾けて消えた。

『よし、次な。えいー!』

 やはり、気の抜けた様子で声を上げながら、パパベルは結界に突っ込んでいく。

 今度も結界に弾かれ――と思ったら、そのまま中に転がり込んだ。

『あれ、通れるぞ。これ、悪魔は通さないんじゃないのか?』

「パパベルは仲間だからな。お前は例外にしておいた」

『仲間かー、そうかー、オレ、悪魔なんだけどな』

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