本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 そのうちひとつにアザレウスを座らせる。ぐったりとそこに座り込んだ彼は、はぁと息を吐き出した。

「……リティス嬢、感謝する」

「それは、私の言葉ですよ。殿下。殿下が、私を呼んでくださったから……だから、今の私がいるんです」

「リティス嬢の才能を眠らせておくのはもったいないと思ったんだ。それに、イレクスもセリカも、君に懐いている」

 なんて返せばいいかわからなくて、うつむいてしまった。

 イレクスも、セリカもリティスにとっては可愛らしい、優しく見守ってあげたい相手。王族に対して不敬かもしれないけれど、実の妹よりもずっとふたりに親しみを覚えている。

「私も、おふたりと過ごしているととても楽しいと思います……」

「実を言うと、ふたりが女性に親しみを持つのは珍しいんだ」

「そうなんですか?」

 最初から、ふたりはリティスに好意的だったと思う。

 もしかしたら、パパベルの存在がふたりの心を溶かしたのかもしれないけれど、ふたりはリティスに親しみを持ってくれていた。

「一応、俺も王族なので」

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