本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「パパベル、アザレウス様を呼びに行って!」

『先にあっちを呼んだ!』

「正解!」

 リティスが行くより、アザレウスが行った方がいい。

魔物討伐隊に参加しているから、人外との戦いには慣れているはず。

 懸命に走って、王族の皆が避難している建物に向かう。そこは、リティスの腰ぐらいまである灌木に囲まれた空間だった。

 向こう側から、爆発音が響いてくる。

「アザレウス様!」

「リティス!」

 駆けつけた時には、アザレウスは子供達を両脇に抱え、敷地に飛び込んだところだった。

「うわーん!」

「ごめんなさい、パパベルがいいって言った!」

 右側に抱え込まれたセリカは泣き声を上げ、左側に抱え込まれたイレクスはしゅんとしている。

 リティスが目を向けると、そこにはパパベルがいた。アザレウスの何かの魔力を食らったのだろう。ボロボロである。いや、元からボロボロだったけれど。

「パパベルってば、可哀そうにこんな姿になってしまって……!」

「いやあれ、偽物だからな?」

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