本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「……さすが、と言えばいいのでしょうけれど、無茶はいけません」
アザレウスは古代魔術に興味を持っていたが、詠唱魔術に慣れている者が古代魔術を身に着けるのは生半可な努力では足りないはず。
このところ、彼が疲れているのはわかっていた。通常の業務の合間に、古代魔術の勉強をしていたのであればそれも当然だ。
「……無茶、しないでください」
「勝算はあった」
「それでもですよ」
アザレウスの前に膝をついたリティスは、大きく息を吐き出す。彼が無事でよかった。本当によかった。
背中に回された彼の手が温かい。
「そうだ、リティス嬢。紙が落ちていないか?」
「紙ですか?」
「ああ。悪魔と契約した者の名前が記されているんじゃないかと思う」
立ち上がったリティスは、紙を手に取る。そして、そこに記された名前に、言葉を失うしかなかった。
* * *
アザレウスとリティスの乗った馬車は、オセルティス伯爵家の前で停まった。
(こんな形で、戻ってくることになるとは思ってなかったわね)
門の外で、改めて屋敷を見上げる。
アザレウスは古代魔術に興味を持っていたが、詠唱魔術に慣れている者が古代魔術を身に着けるのは生半可な努力では足りないはず。
このところ、彼が疲れているのはわかっていた。通常の業務の合間に、古代魔術の勉強をしていたのであればそれも当然だ。
「……無茶、しないでください」
「勝算はあった」
「それでもですよ」
アザレウスの前に膝をついたリティスは、大きく息を吐き出す。彼が無事でよかった。本当によかった。
背中に回された彼の手が温かい。
「そうだ、リティス嬢。紙が落ちていないか?」
「紙ですか?」
「ああ。悪魔と契約した者の名前が記されているんじゃないかと思う」
立ち上がったリティスは、紙を手に取る。そして、そこに記された名前に、言葉を失うしかなかった。
* * *
アザレウスとリティスの乗った馬車は、オセルティス伯爵家の前で停まった。
(こんな形で、戻ってくることになるとは思ってなかったわね)
門の外で、改めて屋敷を見上げる。