本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
言い訳にしても苦しすぎる言葉を口にしながら、フィノラは今度は身を翻して逃げ出そうとした。フィノラの目の前で、勝手に玄関の扉が開く。
「扉から逃げるのは無理だと思うぞ」
愉快そうに響くのは、アザレウスの声。外に待ち構えていたのは、魔道具の設置を終えた魔術師達と護衛としてきた騎士達だった。
扉の外に目を向け、リティスを見て、アザレウスを見たフィノラの視線が、最終的に父にとまる。
「お父様! 助けて! 私は、何も知らないの。これは、そうお姉様の陰謀よ! 私に罪を着せようとしているの!」
アザレウスの前でリティスを攻撃しようとしたことも、自分がこの場から逃走しようとしたことも、フィノラの中ではなかったことになっているようだ。
考えてみれば、いつもフィノラはこうだった。フィノラの中でのリティスは、踏みつけにしていい相手。きっと、いつも通りになると思っていたのだろう。
「あなたに罪を着せる必要なんてないでしょうに」
思わず漏れたリティスの本音。わざわざフィノラに罪を着せなくとも、リティスはもう自分の場所を確立している。