本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 アザレウスの言葉に、フィノラは真っ青になった。アザレウスの前だというのも忘れてうろたえたらしく、叫び始める。

「嘘ではない。たまたま結界が功を奏したからよかったものの、王太子と王女が傷つけられるところだった」

 フィノラの行為により悪魔が呼び出され、それによって王族が傷つくところだったと説明されたフィノラは、ようやく自分のしでかしたことが大問題なのだと気づいたようだ。
「わ、私は、ちょっとお姉様を脅そうとしただけ! だって、お姉様ってば、自分ばかりいい思いをしているんだもの!」

 フィノラの言葉に、リティスは頭を抱えてしまった。

 たしかにリティスが家を出てから、オセルティス伯爵家は、没落――とまでは言えないにしても、社交界から遠巻きにされている。

 王宮図書館で働き、アザレウスを始めとした王族達と親しくしているリティスは、たしかにいい思いをしているように見えるかもしれない。

 でも、今の立場はアザレウスがリティスに与えてくれたもの。そして、そこでの成果はリティスが自分の力で手に入れたものだ。

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