本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 あまりにも当然のようにリティスへの好意をむき出しにするので、こっちが恥ずかしくなってしまった。アザレウスの気持ちを恥ずかしがっているわけではないのだけれど。

「であれば、あの場で私も妃も子供達も――命を落としていた可能性もあるな」

 と、もっと恐ろしいことを言い出したのは国王である。

 もし、国王一家が全滅したとしたら。

 あまりな想像に、リティスの肝がひゅっと冷えた。

 たぶん、そうなったらアザレウスが王位を継ぐことになる。国王が独身というわけにもいかないから、誰かと結婚することになるだろう。

 王族を排除し、そしてリティスも遠ざける――そうなった時、候補に上がるのはきっと高位貴族の令嬢だ。

(……たしかに、宰相の娘というのはぴったりなのかもしれないわね)

 長年国を支えてきた宰相の娘が国王に嫁ぐ。そうなったら、代替わりした直後でもスムーズに国を運営できるかもしれない。

 消される側にとっては、スムーズな運営のためと言われても納得できないだろうが。

「……宰相を捕らえろ。いや、ここに呼び出すか」

「そうしてくれ、兄上。俺にやらせてもらえるとありがたい」

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