本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 それに、宰相にとってもリティスの動向をこの場で知れる方がいろいろと『やりやすい』こともまた事実。

「……なるほど。伯爵を引退させたあと、誰が伯爵位を継ぐのか、問題になりますからな。リティス嬢がこの場にいるのも当然だ。フィノラ・オルティスは処刑するとして、いっそ、爵位を返上させてはいかがですか」

「それが、そうもいかなくてなぁ。もちろん、罰は与えるんだが――フィノラ・オルティスの背後に、とんでもない大物がいることがわかったんだ」

「なんですと? 彼女は、何を言ったのですか?」

 ここで、驚いたように宰相が眉を上げる。

「フィノラ・オセルティスは、彼女に魔術書を与え、王宮を攻撃するよう命じた者がいると証言した。俺が、魔術で確認もしたから間違いない」

 そう続けても、まだ宰相は自分の悪事がばれているとは思っていないようだ。証拠を残していない自信があるのだろう。

 落ち着き払った彼の姿勢は変わらず、むしろリティスの方に嘲るような目を向ける。

「すまないが、茶を頼む」

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