本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「エデル・ベルフォラタ伯爵令息。フィノラ・オセルティスに何を渡した?」
「宰相閣下から預かった本を渡しました。フィノラの役に立つだろうと。そして、悪魔を呼び出し、国中の魔術書を集めるようにと命じました。宰相が有効活用するから、と」

「そ、そんなことは言っていない! 私が、あの娘に言ったのは、危険な魔術書だけをしっかりしたところで保管――」

 続けた言葉に、宰相は勢いよく立ち上がった。言い訳をしようとして、自分が口走ってはならないことを口走ったのに気づいたようだ。

 慌てて手で口を覆うがもう遅い。

「そう。お前は、フィノラを言いくるめて、魔術書を集めていたな――その中の一冊が、召喚した悪魔を魔道具に封じる方法だ。全部調べはついている」

 アザレウスが続けると、宰相はみるみる顔色を青くした。
 盗み出されたのは、国に届の出ている魔術書ばかり。内容についても、ある程度は判明しているのだ。
 自分と盗み出された魔術書が結びついてしまったと気づいた宰相は、ばっと身を翻して、扉に飛びつく。そのまま勢いよく扉を開こうとしたけれど、扉はがちゃがちゃというだけ。

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