本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「そこまで。俺の大切な人にそれ以上目を向けるな。口をきくな。彼女の視界にも入らないでくれ。さんざん彼女を踏みつけにしてきたのだろう?」
アザレウスは、エデルの腕をつかむと、室内に残っていた騎士の方へと押しやった。
「彼からも話を聞く必要がある。罪人ではないので、丁寧に扱ってくれ」
腕を掴んで押しやったのは、丁寧な扱いに含まれるのだろうか――そう思ったけれど、エデルを退室させたアザレウスがほっとした顔になっていたのでリティスから追及するのはやめておいた。
何はともあれ、これで少しは落ち着くだろう。そう期待したいところだ。
* * *
――あれから、ふた月が過ぎた。
最初のうちは口をつぐんでいた宰相も、徹底的な尋問の前には口を閉ざしておくことはできなかったようだ。
国王一家を排除し、アザレウスを即位させる。そして、娘を嫁がせて外戚として権力を握るのが、目的だったようだ。アザレウスがやすやすと権力を握らせるはずもないのだが、そこもなんとかなると算段していたようだ。