本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 その過程で、リティスも排除できればなおよし、といったところだったということも聞かされた。

『フィノラ・オセルティスは、愚かな娘だったから、扱いやすいと思ったのだがな』

 と、口にしていたそうだ。
 フィノラに手伝いをさせた裏には、計画が露呈した場合に、リティスも王家から遠ざけられるという狙いもあったらしい。

 だが、それももうどうでもいいことだ。彼の野心は果たされることはなかった。

 王国は、今日も守られている。

 そして、リティスは、あいかわらず王宮図書館で働いている。

「……写本を作る作業は苦手だわ」

 リティスがつぶやくと、その様子を見ていたパパベルが笑った。

 解読するのは得意なのだが、写本を作るのは少々苦手だ。一文字でも間違えれば大変なことになる。緊張感で肩が凝ってしまうのだ。

『お前にも苦手なことがあるんだなぁ』

「苦手なことだらけよ。社交だって苦手なんですからね」

 貴族達の家から宰相が集めた魔術書については、それぞれの屋敷に戻されることになった。その前に、王宮の方で写本を作ることになったのである。

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