本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 屋外で昼食にすると聞いていなかったから、ここに連れてこられて少し驚いた。でも、今日は心地よい陽気だ。たまには、こういうのも悪くない。
 ――なんて考えていたら、ふいにアザレウスが膝をついた。
「リティス。俺と結婚してほしい」

 どこからか取り出したのか、大きな薔薇の花束。膝をついた彼に、見上げられ、あっという間に真っ赤になる。

「え? え? 私と、ですか?」

「リティス以外の人はいらない。どうか、俺と人生を歩んでほしい」

 すぐには、返事ができなかった。

 彼の求婚の言葉を聞いたとたん、心臓が大暴走を始めた。

 目のあたりがじわじわとと熱くなって、ぽろりと涙が落ちる。

「……本当に、私でいいのですか?」

 今まで、家族にすら認められていなかった。

 伯爵家の団欒の中に、リティスの場所はなかった。

 そんなリティスが、アザレウスの求婚を受けてしまっていいのだろうか。

「本当に、私……私で……」

 それ以上、言葉が出てこない。

 アザレウスが、こちらをじっと見つめているからいたたまれなくなる。

「君がいい。俺は、君と結婚したいと思っている」

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