本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 なるほど、とリティスは頷いた。

 いくらリティスの交際範囲が狭いとはいえ、エデルとリティスの婚約が破棄となり、そのままフィノラとの婚約が決まったとなれば世間は騒がしくなる。

 リティスが病気になって療養することになったため、リティスとエデルの婚約は解消。リティスは領地で療養し、エデルはフィノラと結婚する。だいたいこんな筋書きが描かれているのではないだろうか。

「わかりました。なるべく早く出立いたします」

「明日には家を出ろ」

「……はい、お父様」

 言われなくても、明日には出るつもりだった。

 部屋の片付けや、リティスがやっていた仕事の引継ぎ等、出立前に済ませておかねばならないことも多い。

 それらはどうするのだろうと思ったが、父はそこを気にしているわけではなさそうなので、リティスも気にしないことにした。

「では、失礼いたします。夕食前にある程度荷物をまとめてしまいたいので――」

 何を持っていくべきかと、頭の中を目まぐるしく回転させる。父が手を振ったのは退出の合図。リティスは頭を下げると書斎を出た。

 階段を大急ぎで駆け上り、自分の部屋に飛び込んだ。

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