本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 魔術をかけられているため、隠し部屋の書物は、隠し部屋から持ち出せない。書店で買った本も全部トランクに入れておく。

 持っていくべきものを詰めたら、トランクの蓋を閉じる。あとは明日、ブラシだの顔の手入れに使う化粧品だのを入れたら終了だ。

 それから、足取りも軽く図書室に向かう。スキップしてしまいそうだ。

「――封印っと」

 この屋敷に残っている人が、曽祖母の隠し部屋を発見する可能性は限りなく低い。でも、誰かに隠し部屋を荒らされるのは嫌だ。だから、誰もここに入れないように封印してしまおう。

(……この屋敷の人達には、必要のない知識でしょうしね)

 我ながらいい性格をしているとも思うが、この屋敷の人が誰も必要としていない知識をもらうぐらいいいではないか。今まで、リティスの存在はないように扱われてきたのだし。

 引継ぎの資料も、実はすべて揃えてある。

 いつ出て行ってもいいように――こんな形で出ていくことになるとは思っていなかったが、準備はしてきた。

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