本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 使用人達に引き継いだら、あとは出発するだけだ。執事と家政婦を呼び、資料を渡して引継ぎをすませる。父への説明は、執事に任せることにした。
 出ていく準備が終わった頃には、夕食の時間となっていた。

 いつもの通り、リティスが交ざることのできない団欒の時間でもある。母とフィノラが来週呼ばれている茶会に何を着ていくか熱心に相談していて、父はその様子を微笑ましそうに見守っている。

 テーブルには四人がついているのに、誰もリティスには話しかけようとしない。

 夕食を終えると、リティスは早々に席を立った。

(明日まで待つ必要ある? ないわね!)

 旅費は金庫から拝借して、トランクを片手に階段を下りる。夜中に走る馬車もあるから、その馬車でもう移動を開始してしまおう。
 階段を下りたところで父と行き会ったので、一応挨拶はしておく。

「では、お父様。行ってまいります」

「……ああ」

 それきり父はリティスには見向きもせず、談話室の方に行ってしまった。きっと、母とフィノラと三人で食後の団欒の時を過ごすのだろう。
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