本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
(こんな便利なトランクを使えないなんて、あの家の人達は損してたわよねぇ……)

 曽祖母は厳しい人だったとは聞いているが、だからと言って曽祖母が遺したものまで放置していいというわけでもないだろうに。

 おかげでリティスが自由に使えるのだから、ありがたいと言えばありがたい。

 屋台でお弁当代わりのサンドイッチを買い、水汲み場で水筒に水を入れて、歩き始める。

 今日は天気もいいし、気温もちょうどいい。

 時々スキップをして自由を満喫。

 街道から離れなければ大丈夫という御者の言葉どおり、街道を行き来している人はそれなりにいる。日が暮れて以降はわからないが、昼の間は問題なさそうだ。

「よかったら乗っていくかい?」

 と、時々声をかけてくれる親切な人もいる。

 乗っていくかい、と言いつつちゃんとした馬車ではなく荷台だ。

「大丈夫です。さっきまで馬車に乗りっぱなしだったから、歩きたくて」

「そうか。気を付けていきなよ」

「ありがとうございます!」

 声をかけてくれる人達も皆親切だ。

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