本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「承知しました。お任せくださいませ」

 リティスは、ぺこりと頭を下げてから、怪我人の方へと向かう。必要最低限の応急処置は施してあるようだ。

(……よしよし、これなら)

 手のひらに浮かび上がるのは、どんな魔術を使うのか記した魔術陣。
 魔術陣に魔力を流し込んだら、みるみる怪我が治っていく。

「――できた!」

 満足の笑みを浮かべて立ち上がった。たいした怪我でなくてよかった。

「私、魔力は豊富なので……必要な方から順番に手当てします。緊急度の高い方を教えてください」

「助かる!」

 騎士や魔術師達に手当ての必要な者を選んでもらい、リティスの方で、どんどん治癒魔術をかけていく。

 十名ほど治したところで、隣にアザレウスが立った。彼は、肩越しに、リティスがどんな魔術を使っているのかを見ているようだ。

「あー、オセルティス伯爵令嬢」

「はい」

「魔力の方は大丈夫か。かなり大がかりな魔術を使っているようだが」

「大丈夫です。このぐらいの治療でしたら、あと百人は大丈夫です。私が倒れても問題なければ、百五十人は」

「いや、そこまでしなくていい」

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