本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
(……ううん、やめやめ。今は読書に集中っと)
本棚から、一冊の本を引っ張り出し、室内にいくつも置かれているソファのうちひとつを選んで座る。手に取ったのは、治癒魔術の書かれている魔術書だ。
(あの時、王弟殿下の誘いを受けていたら今頃どうしていたのかしら)
魔術陣の使い手は、今はさほど多くない。だからこそ、魔術師達はリティスを王宮魔術師団に誘ってくれた。
王宮魔術師団に所属していたら、王宮にしかない魔術書も読めるそうだ。
ラングレーに向かう馬車の中、アザレウスとそんな話をしたことをなんとなく思い出した。
「……あの時は、一度に一人しか治療できなかったのよね」
ソファに並んでいたクッションを、居心地よくなるように積み直す。
このクッションはもともと伯爵家にあったものなのだが、誰も使っていない部屋に放置されていたから、遠慮なくリティスがもらうことにした。
自分でちくちくと刺繍をしたクッションカバーもお気に入りだ。積み上げたクッションにもたれるようにして、魔術書に目を通す。
(……楽しい)
並んでいる文字を見ていると、自然とリティスの頬も緩む。
本棚から、一冊の本を引っ張り出し、室内にいくつも置かれているソファのうちひとつを選んで座る。手に取ったのは、治癒魔術の書かれている魔術書だ。
(あの時、王弟殿下の誘いを受けていたら今頃どうしていたのかしら)
魔術陣の使い手は、今はさほど多くない。だからこそ、魔術師達はリティスを王宮魔術師団に誘ってくれた。
王宮魔術師団に所属していたら、王宮にしかない魔術書も読めるそうだ。
ラングレーに向かう馬車の中、アザレウスとそんな話をしたことをなんとなく思い出した。
「……あの時は、一度に一人しか治療できなかったのよね」
ソファに並んでいたクッションを、居心地よくなるように積み直す。
このクッションはもともと伯爵家にあったものなのだが、誰も使っていない部屋に放置されていたから、遠慮なくリティスがもらうことにした。
自分でちくちくと刺繍をしたクッションカバーもお気に入りだ。積み上げたクッションにもたれるようにして、魔術書に目を通す。
(……楽しい)
並んでいる文字を見ていると、自然とリティスの頬も緩む。