本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 きっと、結婚が決まったから実家に戻れという話なのだろう。だが、今さら実家のために役に立てとか言われても困る。

 しぶしぶ手紙を開いたリティスは、中身に目を走らせ困惑した。

(……王宮から、使いが来た?)

 王宮から、リティスに使いが来たようだ。父の文面からも、理由がわからず困惑している様子が伝わってくる。

 別に、父が困ろうがリティスとしてはどうでもいい――と言ってしまえば問題かもしれないが、王宮からの呼び出しを下手に逃げるのはマズい気がする。

(もしかして、あの時の魔物討伐隊のことかしら……?)

 治癒魔術をかけた礼をしたいという話ならば、わからなくもない。

 けれど、あの場で丁寧にお礼を言ってもらったし、ラングレーまで送ってもらったから、リティスとしてはそれで充分だと思っていた。

 だが、王族としては口頭の礼だけでは、問題になるのかもしれない。父には魔術を使えるという話をしていないので、王宮からの使いにはびっくりしたかもしれない。

(……なんて、考えていてもしかたないわね)

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