本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「……オセルティス伯爵、今日は押しかけてすまないな」
「滅相もございません。殿下をお迎えできるのは、光栄でございます」
馬車から降りてきたアザレウスは、魔術師としてのローブをまとっていた先日とは違い、王族としての盛装に身を包んでいた。
裾の長い紺の上着には、銀糸で刺繍が施されている。
彼の髪の色に合わせたかのようなその刺繍は、大変精緻なものだった。名のある職人の手によるものだろうと、瞬時にわかる。
中に着用しているシャツも、襟に銀で刺繍が入っている。指には、魔術師の証である指輪。ちらっと髪をかきあげた時、耳にも宝石がついているのがわかった。
「こちらは、妻、そして娘のフィノラと――リティスは、以前お目にかかったそうですな。どうぞ、中へお入りください」
耳についているのは、魔道具だろう――なんてリティスが思っている間に、流れるように父は家族の紹介を済ませ、アザレウスを中へと招き入れていた。
はしゃいだ様子をなんとか隠そうとしているフィノラが父に続き、母はフィノラの横を歩いている。最後に、少し離れたところからリティスはついていった。
「滅相もございません。殿下をお迎えできるのは、光栄でございます」
馬車から降りてきたアザレウスは、魔術師としてのローブをまとっていた先日とは違い、王族としての盛装に身を包んでいた。
裾の長い紺の上着には、銀糸で刺繍が施されている。
彼の髪の色に合わせたかのようなその刺繍は、大変精緻なものだった。名のある職人の手によるものだろうと、瞬時にわかる。
中に着用しているシャツも、襟に銀で刺繍が入っている。指には、魔術師の証である指輪。ちらっと髪をかきあげた時、耳にも宝石がついているのがわかった。
「こちらは、妻、そして娘のフィノラと――リティスは、以前お目にかかったそうですな。どうぞ、中へお入りください」
耳についているのは、魔道具だろう――なんてリティスが思っている間に、流れるように父は家族の紹介を済ませ、アザレウスを中へと招き入れていた。
はしゃいだ様子をなんとか隠そうとしているフィノラが父に続き、母はフィノラの横を歩いている。最後に、少し離れたところからリティスはついていった。