本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
(お父様、まさかフィノラを売り込もうとしているわけではないわよね?)
アザレウスは二十七歳、フィノラは十六歳。
少し年が離れていると言えば離れているが、王族や貴族の結婚ならば珍しい年の差というほどでもない。
フィノラの表情からして、アザレウスに一瞬で心を奪われているのが丸わかりだ。
(自分に、婚約者がいるのを忘れているわけでなければいいけれど……)
と、リティスが考えてしまっても意地悪ではないだろう。リティスとの婚約を解消させてまでエデルと婚約したのだから。
客間は、いつも以上に磨き立てられていた。
朝切ったばかりの花が、花瓶から溢れんばかりに活けられている。下品になるぎりぎり一歩手前の華やかさは、活けた者の腕がいい。
「――さて、伯爵」
その部屋に入るなり、アザレウスは父の方を向いて言い放った。
「伯爵と上のご令嬢――リティス嬢だけでいい。奥方と、下のご令嬢は席を外してもらいたい」
「リティス、こちらに来なさい。お前達は、部屋に戻っていなさい」
父は、母とフィノラに手を振る。
アザレウスは二十七歳、フィノラは十六歳。
少し年が離れていると言えば離れているが、王族や貴族の結婚ならば珍しい年の差というほどでもない。
フィノラの表情からして、アザレウスに一瞬で心を奪われているのが丸わかりだ。
(自分に、婚約者がいるのを忘れているわけでなければいいけれど……)
と、リティスが考えてしまっても意地悪ではないだろう。リティスとの婚約を解消させてまでエデルと婚約したのだから。
客間は、いつも以上に磨き立てられていた。
朝切ったばかりの花が、花瓶から溢れんばかりに活けられている。下品になるぎりぎり一歩手前の華やかさは、活けた者の腕がいい。
「――さて、伯爵」
その部屋に入るなり、アザレウスは父の方を向いて言い放った。
「伯爵と上のご令嬢――リティス嬢だけでいい。奥方と、下のご令嬢は席を外してもらいたい」
「リティス、こちらに来なさい。お前達は、部屋に戻っていなさい」
父は、母とフィノラに手を振る。