本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「どうやって、王宮図書館で働けるような知識を得たの?」

「我が家の図書室に本があるわよ。あなたも、図書室の本を読んでいたら、職員になれたかもね」

「そんな本があるなんて、教えてくれればよかったのに」

 と、慎重な手つきで肉を切り分けながら、フィノラは器用にむくれて見せる。

 そもそも、最初から興味がなくて、図書室には足を運んだことなどほとんどないだろうに。
 そのかわり、フィノラには有名な魔術師が家庭教師としてつけられていた。

「探せばあるわよ。入口を入って、右手の書棚。探してごらんなさいな」

「……ええ」

 嘘は言っていない。

 曽祖母の魔術書の中でも、貴重なものは曽祖母の隠し部屋に隠されているが、比較的入手のしやすいものは伯爵家の図書室に置かれている。誰も手を出さなかっただけのこと。

「……詠唱魔術ではなくて、古代魔術の勉強をした方がよかったかしら」

「でも、古代魔術を使うのは大変よ? 魔術陣を頭の中に正確に思い浮かべなければならないんですもの」

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