本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 曽祖母に似ているというだけで、リティスを家族から弾き出すなんて、冷静に考えたら馬鹿々々しい。

 隠し部屋に残された曽祖母の記録によると、彼女は魔術の素質があったらしい。この部屋に入るようになって、リティスはそれを初めて知った。ここに収められているのは、どれも貴重な魔術書や貴重な古文書、それから代々の管理人が楽しんできた物語の本だ。

 本を読むのはなんでも好きだけれど、この部屋で魔術書を読んでいる時が一番わくわくする。

(今日は、治癒魔術にしましょ! 治癒魔術なら食いっぱぐれることはないって、出入りの商人が言ってたし)

 伯爵令嬢にしては少々言葉遣いが悪いのは、出入りの商人達と話をすることが多いからだ。

 いつこの家から追い出されてもおかしくはないし、自分から出ていくのもありかもしれない。いずれにしても、自立の準備は始めておこう。

(せめて、フィノラみたいな容姿だったら……少しは、気にしてもらえたのかしら)

 考えてもしかたないのに、ついそんなことを考えてしまう。

 一応、貴族令嬢として、どこに出しても恥ずかしくないだけの教育は受けている。

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