本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 リティスの手よりもずっと小さなイレクスの手。自分とはまったく血のつながりはないのに、この手の小ささを愛おしいと思ってしまった。

 王宮では、働いている者達が食事をできるように食堂も設けられているのだが、王宮図書館からは少し距離がある。

 そのため、王宮図書館の職員は持参の弁当を食べる者が多い。さすがに貴重な書物を広げている場所での飲食は厳禁なので、飲食は休憩室に行くのが決まりだ。

 大きな部屋にテーブルが並んでいる部屋と、個室があるのだが、アザレウスはいつもは大部屋を使う。リティスを個室に連れ込んでいると誤解されるのは避けているらしい。

 こういうあたりも、きちんとしていると思う。

「あたくち、お兄様とこうしてお食事したかったの」

「僕も!」

 今日は、子供達が一緒ということもあり、個室を用意してもらった。

 大きなテーブルと椅子が置かれているだけの部屋だが、王宮図書館ということもありテーブルも椅子も彫刻の施された繊細なものだ。

「お兄様、お兄様、あたくち、サンドイッチが欲しいですわ!」

「僕は、お肉がいい」

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