本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
「詠唱魔術は向いてないみたいで。呪文に魔力が乗らないんだ」

「まあ、そういうこともあるのですね――うーん、魔術陣を使う方法をお教えしてもいいのですけど」

「本当?」

「でも、国王陛下のお許しがないと。あと、王弟殿下のお許しも」

 詠唱魔術の方が扱いやすいから、魔術陣を使う古代魔術は、今では廃れている。

 だが、古代魔術には古代魔術なりの利点もあるし、本人にやる気があるのならばこちらの方が向いている可能性も否定できない。

「兄上の許可は得ている。俺が付き添っている時ならば、リティス嬢に教えてもらえるとありがたい――今日は、その話もしようと思っていたんだ」

 食事を終えたら話すつもりが、子供が先に口にしてしまい、リティスがあっさり受け入れたという形になってしまったようだ。

 問題は、リティスは王宮図書館の職員であり、イレクスの魔術教師はその仕事に含まれていないこと。

 ここは、王宮の方でリティスの契約を変更する形で対応できるそうだ。週に一度、イレクスに魔術陣の手ほどきをする。

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