本好き地味令嬢は、自由を満喫していますので。~今さら助けてくれと言われても、二度と家には戻りません!~
 五歳にして、男女の関係に興味津々なのはいいのだろうか。ちょっぴり楽しくなって、リティスからセリカにたずねてみた。

「王女殿下は、どなたかお好きな方はいるのですか?」

「やーん」

 たずねられたセリカは、両手を頬に当ててくねくねした。照れているらしい。

 それから、リティスの手を引き、顔を近づけさせてからささやいた。

「あのね、内緒よ。あたくち、アーノルドが、しゅ、しゅきなのっ!」

「……アーノルド?」

 セリカの口にした名前に、リティスは心当たりがなかった。

 ここまで子供達を護衛してくる護衛騎士にアーノルドという名の者はいなかったと思うし……王族にもいないと思う。

 となると、家庭教師とか、近衛騎士とかだろうか。面識がない彼らのことまでは、リティスも把握はしていない。

「アーノルドはそのクマだよ」

 と、冷静にイレクスが教えてくれる。

 今日は、セリカは大きなぬいぐるみを持ってきていた――正確には、お付きの侍女が運んできたのだが。

 セリカと同じぐらいの大きさがありそうなクマのぬいぐるみである。セリカの好みなのか、首には太いリボンが巻かれていた。

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