イケメンから抜け出したい
私がそう言うと、翠寧はそこまで興味がなさそうに「ふーん」と流した。




「翠寧!和泉学園ってどんなとこか教えて!」



「えーと、とにかく頭はすごいいいよね、確か偏差値80、」



「はちじゅう!?」




思いがけない数字に、大きな声が漏れる。




それと同時に、教室にいた人の視線が集まった。




恥ずかし!





私は翠寧の方に身を乗り出していたことに気づいて引っ込めた。






「え、いくの?まあ菖蒲の頭なら行けなくもないと思うけど」




「いや、行かないよ、と言いたいんだけどさ」






翠寧に隠しても仕方ないし、と思って、私は昨日の出来事を全て話した。









「ふうん、いいじゃん、学費無料はでかいよ」




「え、でも翠寧と同じ高校行くって───」





ずっと翠寧と同じ高校に行こうって約束してたから。





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