わななく羽
きみの背中にまだうっすらと汗の羽の跡が残っていた。
意地っ張りな私がすがれる唯一の翼が。(泣きながら乱れてきみにしがみつく夜)
「ん? 大丈夫?」
彼の右手がそっと私の背中に触れた。
私の羽をわしづかみにできる大きな手。引きちぎってしまうことだってできそうなのに彼はしないんだ。しないと知っている。安心する。
- 今夜もおいでよ。俺の家に。
この安心は恋なのかそうでないのか。医務室に着くまでに結論は出るだろうか。
今少しこの甘酸っぱい気持ちを胸と口に感じていようか。すぐに伝えてしまうのももったいないしね。(常に優位に立っていたいしね)
2025.07.28
蒼井深可 Mika Aoi
*自サイトからの自作転載。
意地っ張りな私がすがれる唯一の翼が。(泣きながら乱れてきみにしがみつく夜)
「ん? 大丈夫?」
彼の右手がそっと私の背中に触れた。
私の羽をわしづかみにできる大きな手。引きちぎってしまうことだってできそうなのに彼はしないんだ。しないと知っている。安心する。
- 今夜もおいでよ。俺の家に。
この安心は恋なのかそうでないのか。医務室に着くまでに結論は出るだろうか。
今少しこの甘酸っぱい気持ちを胸と口に感じていようか。すぐに伝えてしまうのももったいないしね。(常に優位に立っていたいしね)
2025.07.28
蒼井深可 Mika Aoi
*自サイトからの自作転載。


