宵にかくして



「おれたちに一番重要なのは、情報の秘匿と信頼関係だろ。こいつが裏切らないって証拠は?」

 
ひやりと凍りついた空気に、どうしよう、と思考回路を必死に働かせる。


不和くんたちに害がない人間だと信じてもらおうにも、それを示せる証拠を持ち合わせていないし、……おそらく今私が何を言っても疑われてしまうだけだろうけど。



「っ、ぜったいに、ご迷惑はおかけしないように努めます。少しでも不審に思われたら、すぐに罰していただいて構いません。……わ、……おれ、に、少しだけ時間をくださいっ」



……あなた達の"敵"ではないと、証明する時間を。


不和くんが大切にしているものを、彼らを、私も大切に思っていることが、……少しでも不和くんに信じてもらえるように、あわよくば、直接伝えることができますように。


……なんて、夢物語かもしれないけど。




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