宵にかくして
story4
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そして、あっという間に時は経ち、研修当日。
生徒を乗せた大型バスは、市街地を抜けて緑豊かな山道を進んでいた。
ざわざわと賑やかな車内の雰囲気は新鮮で、意味もなく周りをきょろきょろと見渡してしまって、─────……ふと、隣の席に座る不和くんと目が合って、どきりとする。
バスの座席を決める過程で、所謂グットーパーでペアを決めることになり、その結果。
『よろしくね、蒼唯さん』
『こ、こちらこそ……!』
上品な笑みの裏に、"絶対に騒がしくするなよ"─────なんて思惑が透けていたのは、おそらく私の気のせいではない。
グループ決めのあの日から、不和くんのお仕事はさらに忙しくなったのか、授業を欠席することも増えた。
そして登校した1分後にはたくさんの女子生徒に囲まれ、日々の反動なのか寮では瀕死の表情筋でカップラーメンを啜っている。