宵にかくして




『咲菜なら大丈夫だよ』


な?……って微笑みながら、丁寧な指先で頭を撫でてくれるから、きゅん〜…っと胸の奥が高鳴って、心臓を纏っていた熱が頰まで回ってしまう。
 

温かく響く言葉なのに、あまりにも綺麗な瞳で、仕草で、真っ直ぐと伝えてくれるから、自分の中のありもしない感情を掬ってしまいそうになる。


純粋に気遣ってくれる宵宮さんに、不釣り合いなりに、せめて内面だけは相応しい後輩でいたいのに……!


『ふ、また百面相してる』

『うう、煩悩を追い払っています……』

『お前に煩悩とかあるの?』


─────……その夜の帰り際、宵宮さんに引き止められて。


『何かあったらすぐに連絡しろよ。約束な』


……宵宮さんはそう言ってくれたけど、なるべく私の事情で宵宮さんの手を煩わせたくない。


プライベートでも学園でも多忙な宵宮さんに少しでも安心してもらえるように、きらきらとした明るいお話を届けるのが私の合宿の目標だ。

 

< 149 / 149 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:9

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

nonsense magic
-KAHO-/著

総文字数/83,507

恋愛(キケン・ダーク)159ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
瞬きを落とすひまもなく、堕ちてきた 「そんな無防備だと喰われるよ」 色のない瞳が細まって ゆっくりと、かけられる 「もう、ぜんぶ、手遅れなんだよ」 きみがわたしにかけたのは やさしい魔法なんかじゃない   ♦︎ はやく、わたしにかけた呪いをといて 「第9回noicomiマンガシナリオ大賞」にエントリーしています。
ミッドナイト・シガレット
-KAHO-/著

総文字数/0

恋愛(純愛)0ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
真夜中と、甘さと、ちいさなメロディー    「それ、おれも好き」 ————ずっと、知りたかった 🌙 あまやかな香りは、真夜中のしるし
ジェラシーを彷徨わせて
-KAHO-/著

総文字数/9,039

恋愛(ラブコメ)26ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
𝕎𝕚𝕝𝕝 𝕪𝕠𝕦 𝕞𝕒𝕣𝕣𝕪 𝕞𝕖❔   ♥✧*♥ 久住 涙花 (くずみ るか) × 久利生 凪 (くりゅう なぎ) ♥✧*♥ 𝕀 𝕨𝕒𝕟𝕥 𝕥𝕠 𝕓𝕖 𝕨𝕚𝕥𝕙 𝕪𝕠𝕦 𝕗𝕠𝕣𝕖𝕧𝕖𝕣.

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop