【書籍化】貧乏家族の転生幼女は待望の水魔法の使い手でした~愛する家族とともに枯れた領地を潤します!〜


 さすがに緊張してきた。
 私の今の目標は、お風呂の建設資金を工面すること。
 そしてその前提には、魔法適性があることが必須。

 どんな魔法でもいいから、今日授かった魔法を活かしてどうにか稼ぐつもりでいる。

 普通の三歳児には難しいと思うけれど、私には前世の記憶がある。
 前世で得た知識と魔法を組み合わせたら、なんとかなるかもしれない……。

 でも、もし今日魔法適性が確認できなかったら……。
 それはその分、お風呂の完成時期が遅れるということ。
 下手したら何十年もお風呂に入れないなんてこともあり得る。

 そんなの絶対に耐えられない。

 いや、今考えたって仕方ない。覚悟を決めて、水晶玉に手をかざす。

 するとだんだん手のひらに温かみを感じてきた。
 これってもしかして? と期待を寄せていると、水晶玉がピカッと青く光った。

「ひ、光った!」

 きっと、何かしらの魔法を使えるようになったに違いない。
 そう思い、喜びの声を上げるレオナだったが、その瞬間、予想外なことが起こった。

 なんと、水晶玉が再び光ったのだ。
 しかも今度は青ではなく、緑色のフワリとした光だった。

「レオナ様、おめでとうございます。水属性魔法、薬学スキルが神より授与されました」

 水属性魔法!? 本当に!? これは大当たりだ。
 だって、水属性魔法が使えるのなら、なんとかして稼いだお金でお風呂建設なんて回りくどいことをしなくても、すぐにでも入浴ができるかもしれない!

「ありがとうございます。神さまのご加護に感謝します!」

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